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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

藤の香り

2006年05月02日(火)

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 水中掃除機が働いていたプールのそばの藤棚に咲いていた藤の花房です。甘い香りが漂っていました。百合の香りに似ていますが、あれほど妖艶ではなくて、もっと上品な香りです。ほんの一瞬香って、すぐに匂いはしなくなりました。

 東関東自動車道の側壁にもたくさん藤の花が咲いているところがありました。去年、叔母たちと、母の墓参に行った時に藤が香っていたのを思い出しました。

 あ、それから源氏物語の藤壷のことも。藤壷宮は、文字通り、藤が植えてある壷(庭)にお部屋があって、向かい側は弘徴殿だから、弘徴殿女御は今頃の季節は毎朝、戸を開けるたびに藤の香りを嗅いで、それこそ嫉妬で「かっ」となっていたに違いないのです。「源氏物語」って読み進めて行くうちに、なんだか弘徴殿女御もたいへんだなあって思うようになるところがおもしろいなあって思います。

 去年、この「豆の葉」に写真を掲載したエゴの木は、冬の間に伐採されてしまったので、今年は今頃はここにエゴの木の白い花が咲いてたいんだなあと思い出すだけになってしまいました。

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