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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

蒸し暑いから

2005年07月01日(金)

 東京の夏は数年前から、梅雨の頃にとんでもない暑さの日が来るようになっています。36度とか38度なんて体温よりも気温のほうが高い日があります。

 蒸し暑いはなぜかビールじゃなくて冷えた白ワインが飲みたくなるのはなぜでしょう。以前は湿度の高い東京では、ワインを飲むと身体じゅうの血管がじんじんするような感じがしていたのですが、この頃は、じとっとした感じを楽しむような、へんな感じ。じんじんしている血管を抱えて白ワインを飲んでいるんです。蒸し暑いのを楽しむ方法を探しているみたいです。

 それから貝。いまごろの季節はあおやぎとか赤貝とかその他いろいろな貝がおいしいのも、蒸し暑いと白ワインが飲みたくなるのが関係しています。貝と白ワイン。なぜか「水の味」がします。水っぽいじゃなくて、葡萄や貝の中に蓄えられておしいくなった水の味がします。
こういう濃厚な水の味で、蒸し暑さに含まれた湿気と闘っているのです。

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