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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

スキャンダルとフェイクニュース

2017年01月12日(木)

ロッキード事件発覚は1976年2月。それから41年目。昨年は田中角栄の本がよく売れたそうだけど、「政治と金」というテーマがパターン化したスキャンダルになった嚆矢がこの事件。以来、政治家追い落としのために「政治と金」のスキャンダル報道が使われるようになった。
 一方で新しく登場したのが、デジタル技術を使ったフェイク・ニュース問題。フェイク・ニュースはトランプ氏当選の米国大統領選挙で注目を集めるに至ったけれども、すでに日本ではヘイトのネタを作り出すフェイク・ニュースはまとめサイトに蔓延していた。「在日特権」「慰安婦」「沖縄差別」など数えきれないほどのフェイク・ニュースがまとめサイトでくり返し流されている。
 菅野完氏に関して「疑惑多い経歴『菅野完著「日本会議の研究」の狙いと虚構』と題した冊子が国会議員に配布され、出版差し止めの仮処分が認められたというのは、どちらかと言えば前者のスキャンダルを流して相手を潰すという旧来型の手法に属しているように見える。
 東京MXテレビの「ニュース女子」でののりこえねっとと辛淑玉氏の誹謗中傷報道はローカルテレビ局を使った典型的なフェイク・ニュース。
 スキャンダルによる敵の追い落としとフェイクニュースによる追い落としとこのふたつに、情報取得に慣れていない人々の興味関心が加わり三つ巴の様相を呈してきている。新聞でも記事と広告の区別がついていない読者はわりに多いのだけど、そこにネット情報やデジタル化で多局化したテレビが加わるわけ。これは物凄い戦いをまのあたりにすることになりそう。

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