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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

うつぼを食す

2005年01月24日(月)

 東京湾アクアラインのパーキングエリア「海蛍」でうつぼの干物を見つけました。館山の相浜産です。うつぼを食べる習慣があるのは紀州の一部と房州の相浜とは聞いていましたが、見つけたのは初めてです。

 土佐の高知を旅行したときにも、うつぼ料理の看板を高知市内で見ました。タクシーの運転手さんに「昔から食べているのかしら?」と聞いてみましたが、「最近だね」という答えでした。もっとも、住んでいる村が違うと食習慣が違うということがありますから、昔から食べていなかったということに、必ずなるわけでもなさそうです。広く知られてようになったのは最近ということでしょう。黒潮の流れにそって伝わった食習慣が隣りの村には伝わらないということもあるのです。

 うつぼ。食べてみました。なかなか濃厚な味。食べられるのは冬の間の脂が乗っている時期だけだそうです。かわはぎの味にぷりぷりとした食感を加えたような味でした。この干物を鍋物などに使うこともあるのだそうです。しかし、細く切らなければいけないのですが(1センチ幅)これがなかなか骨が折れました。特に皮がつるつるして切りにくいのです。よほど切れ味の良い包丁がなければ、この仕事は難儀。

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