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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

京都の炭屋さん

2012年11月26日(月)

 京都、出町柳の近くできれいな炭を売っている炭屋さんをみつけました。茶道で使う炭のようです。

 茶道に使う炭にいろいろ種類があることは織田作之助の小説で知ってましたが、本物を見るのは初めてでした。きちんと切りそろえられていて、いろいろ用途が決まっているようです。その織田作之助の小説のタイトルが思い出せなくって困っています。が、良い炭を焚くための炉の灰にも気を配る男で、家の若い女中さんを自分の妾にしていると、そんな話だったと思います。
 女中さんが炉の灰の扱い方を知らないので、怒り出すという場面がありました。灰とか炭とかにこれほど美醜へのこだわりがあるのかと、その小説を読んだ時に感嘆したものですが、京都の炭屋さんに並んでいる炭をみると「なるほど」と頷かれました。

 以前、京都の古道具屋さんが買ったうさぎ型の手あぶりがあるので、あれにきれいな灰を入れ、形の良い炭を入れたらいいかなと考えはするものの、炭のことも灰のこともよく知らないので、躊躇しています。

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