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勘九郎日記 かの字
2005年01月11日(火)
今年も年賀状書きが間にあわなくて、またまた「寒中見舞い」を書いています。たくさん書くと、だんだん退屈になってきて「勘九郎日記 かの字」(集英社)を読んでいました。
なぜだか解らないのだけれども、勘九郎の聞き書きを読んでいると、いつも、私は昔の家の中を思い出します。いろんな人が尋ねてきたり、どういう関係がわからないけれども、おもしろい人が住んでいたりした昔の家の雰囲気です。お線香の匂いと出汁の匂いと、それにお正月だと燗をしたお酒の匂いなんかもした古い家のことです。語り口がそういうものを思い出させるのでしょうか?人が怒ったり泣いたり癇癪をおこしたりする感じがすごくそういうものを思い出させます。
初舞台を「昔話桃太郎」で踏んで以来の様々な思い出の中には父勘三郎が怒る場面もあれば、どのの家でもありそうな親子げんかの話もあり、お母さんとの意地の張り合いもありで、それらの話が思い出という「優しさ」に包まれているところが「かの字」の良いところです。親子兄弟がぶつかり合って「傷」ができるのではなくて新しい「芸」ができて行くところが爽快です。
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