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中沢けいコラム「豆の葉」
   
 

草津温泉

2011年09月16日(金)

 草津温泉の入り口に、路面に特殊な舗装を施して車で40キロ走行すると「草津良いとこ、一度はお出で」のメロディーが聞こえるという道路があります。この舗装は群馬県内の温泉入り口などには、それぞれの土地にちなんだ曲の舗装がされているそうです。



 草津に行った日は、南の海上を台風12号がのろのろと進んでいました。紀伊半島に甚大な被害をもたらしたあの台風です。関東でも群馬県の山沿いは大雨。おかげで関越は本庄児玉から渋川伊香保までが通行止め。旧中山道の国道17号は大渋滞。で、草津まで車で8時間もかかってしまいました。ようやく草津に入ったと、くたくたの耳の響いてきたのが、道路の舗装の奏でる「草津良いとこ〜、一度はおいで〜」の響き。まるで地の底から響く悪霊の声のように聞こえました。いまいましいこと限りなし。



 台風はのろのろで、翌日も四国を自転車なみ、どうかすると歩く速度で進みました。良かったことと言えば、ふだんは観光客で大混雑する草津の湯畑をゆっくり見物できたことでした。おおきな源泉がぽっかりと口をあけているという眺めはやはり壮観でした。



 硫黄を採取する木の樋。黄色い粉の硫黄を買って帰ったこともありました。草津のお湯は、強いお湯で、金属の装身具がたちまち黒くなってしまうこともあります。



 お湯が落ちるところに石が緑色になっているのも印象的な眺めでした。伊香保あたりまでは山の湯という感じがしますが、標高1600メートルの草津は山さえ突き抜けた感じです。

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