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洪水がくるのかしら?
2020年10月16日(金)
まとめサイトが偽情報の温床であることは従来から指摘されてきた。訴訟を提起され、まとめサイト側の敗訴が決定している例もある。今回、情報の発信源が有名政治家、学者、地上波テレビの解説員など、従来のネット情報とは一線を画してきた人々である点。地上波テレビがネット情報に浸食されている状態が出現。地上波テレビで流れた疑義言説に対するペナルティもゆるくなっている。 天皇機関説事件、滝川事件などの過去の言論弾圧事件をもとにこれから言論弾圧が強まるという指摘がされる。まちがいではない。ではその言論弾圧がどのように現代でなされるかといえば、ネット情報がテレビの地上波を浸食するというかたちをとる。そしてそれは「これから」始まるのではなく、驚くほどの速度でもう始まっている。あれを言っちゃいけない、これは表現するなという言論弾圧ではなく「誰の言っていることがほんとなんだ?」という言語生活そのものを破壊する言論弾圧だ。横へ広がるバベルの塔と言ってもいい。もともと、バベルの塔で分裂した言語は横へ広がっていましたけど。 2013年当時、ヘイトスピーチやカウンターという言葉もあまり知られてなかった頃に「ネトウヨと戦っているの(笑)」と話すと(まじめな話としてはできない話題だった。半分、冗談めかして話したものだ)私の知人たちは「ばかなことをするな」と言ったものだ。アンダーグランドのネット情報など取るに足らないと。それが今の惨状に発展するのにわずか7年しかかからなかった。今やネットでノーベル賞を受賞した科学者や、人文学の分野で充分な業績を積んだ学者が「曲学阿世の徒」とか「学匪」と呼ばれている。国会参議院の演壇でj恥知らずな議員が「恥を知れ」と叫んだのは去年のこと。ツイッターで立派な業績のある人に、ハンドルネームのネトウヨが絡むのをひやひやしながら見ていることがあるけれども、テレビの地上波で同じ場面を見せられる日もそう遠くないかもしれない。天皇機関説事件や滝川事件よりも戦後の米国のレッドパージや中国の文化大革命に似た民意に威を借りた弾圧が、テレビの地上波という電波とネットのデジタル技術をいう文明の利器を使って大洪水をおこし始めているのでなければいいんだけど。水害にあった人が「気がついたら水が腰の高さまで来ていた」と証言するのをよく耳にする。
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